祝!ナポリピッツァ世界遺産認定 *2017年12月
なぜかドイツで世界一うまいナポリピッツァが食べられる。
ミュンヘンから車で西へ1時間、Kaufbeuren (カウフボイレン)という町の、駅からも中心からも少々離れた工業地帯の端にたたずむちょっとうらびれたような建物。
看板は道路にでているけれど、少し脇道にはいったところにあるため、通りがかりのお客さんは来ないであろう、人目を引くものは何にもない店。サレルノ出身のピッツァ職人、カルミネの店。
何を隠そう、この店こそが、ドイツで一番旨いナポリピッツァの店だ。そしてここは昨年までドイツで唯一のナポリピッツァ協会認定の店だったのだ。(ドイツで2番目の認定店がベルリンにできたらしい。)
ナポリをはじめ、イタリア各地、日本でもナポリピッツァ協会認定ピッツエリア、コンクールで優勝したピッツエリアなどなどを食べ歩いたわたくしと番頭さんが断定しよう、カルミネのピッツァが世界一旨い。
世界中のナポリピッツァを食べたわけではないが、きっと世界で一番おいしい。そう言うのは私たちだけではない。常連客のナポリ出身ドイツ在住のイタリア人のグループが、ナポリに帰ったときに食べるピッツァより、カルミネのピッツァの方がおいしいと言っているそうだ。初めて会ったときに日本人だというと、来店する半年前に電話で予約して来た日本人がいたよ、と言っていた。なんで知っていたんだろう。私たちみたいに各地のナポリピッツァを食べ歩いている酔狂な人が他にもいるのか。おそるべし、日本人。
実はカルミネはルフトハンザの月刊誌にも紹介されていたし、ドイツのテレビ局や新聞も取材に来たらしいし、イタリア領事館のイベントにも呼ばれるようで、大人気なのだ。
私たちが行く週末はいかにも近所の人たちって感じの人々でいつも満席なのだが、この人たちは、わざわざ飛行機に乗ってナポリくんだりまで行かずとも、本場ナポリの名店よりおいしいピッツァが、こんなところで(失礼!)食べられる幸せを自覚しているのだろうか。うーん、そんなにありがたがっているようには見えん。もっとありがたがったらどうだ。
ここでは一番シンプルなマルゲリータを食べるべし。
ヴェーラという、水牛の乳から作ったモッツアレラブッファラを使ったマルゲリータもよいが、なんせ巨大なので少々重い。
2人で一つ頼んでシェアするもよし、残ったら持ち帰るのもよし。
ちなみに冷えたピッツァは、フライパンで、蓋をして弱火でじっくりと温めると、美味しく食べられる。まちがってもチンなどしないように。
もちもちの、リエビトマードレからつくった生地がこんがりと焦げた匂い。ちょっと炭になった周りがおいしい。ああこの店がミュンヘンにあったら毎週通ってしまう。うっとり。
要予約。https://www.pergola-ristorante.de/